◆厳粛に執り行われる莱祀祭
莱祀祭は本来の祭日の2月13日に行われます。氏子総代や堂年寄り、地元住民が拝殿に集まり莱祀の祭典が始まります。神職の祝詞に続き、玉串を捧げて一年の豊作と繁栄を祈ります。山車が無事に巡行できたことを神々に報告し、神々に安心してお帰りいただく儀式が済むと、蓬莱祀の全ての祭事が終わります。
鏡餅や串餅が堂年寄りに配られ、神と共に酒食をする直会(なおらい)が行われて、莱祀の労がねぎらわれます。やがて莱祀祭の後片付けも済んで、岡太神社にも静けさが戻ってくると、粟田部の人々は1月の左義長祭り、2月9日市祭り、2月10日徳日参り、2月11日と13日の蓬莱祀と続いた祭りの高揚から解放され、普段の静かな生活に戻ります。
粟田部の蓬莱祀は、躍動と静寂、神々への祈りと感謝を残して人々の心を再生しているのです。粟田部の伝統と誇りを忘れない限り、蓬莱祀は次の世代に受け継がれていくことでしょう。